シカ肉の生食は絶対だめです。周りが焼けていても駄目です。シカの刺身を提供する飲食店は多いです。

レストランで出てきたからって安心しないで下さい。絶対食べないでください。

生のシカの色はマグロのような赤色。上の画像のようなピンクなら火が通っています。下記のような画像は生焼けです。

かつてシカ肉は生で刺身で食べるのが普通でした。私も生で喫食していました。鹿刺しと言って、しょうが醤油やにんにく醤油で食べていました。

ですが、時代が変わり、今はシカやジビエに限らず、お肉の生食は危険という認識が一般的です。

このブログではシカ肉生食でのリスクをお伝えします。

「法律で禁止されていないのだから自己責任で食べてもいいだろう!」と言う人も居ますが、

まず法律で禁止されていないから、シカの生食はOKっていうのは違います。

最近食肉の仲間入りをしたシカ肉に法律が追い付いていないだけだと思います。

それに食中毒が発生したら

【ジビエ危険】【野生のシカ肉で食中毒】など

風評被害は、ジビエの普及に歯止めがかかります

危険なのは、シカ肉でもジビエでもない

【お肉を生で食べること】です!

生食、そのリスクについてもお伝えします。

E型肝炎ウイルス

野生シカ肉の生食を原因とするE型肝炎ウイルス食中毒がありました。

そこで、シカはE型肝炎ウイルスの感染源にどの程度なりうるのか?の調査がありました。「シカのE型肝炎ウイルス抗体保有調査」です。

シカの生息する全国16地域で捕獲された 野生ニホンジカ、計976頭分のサンプルを 採取し分析しました。 

結果ニホンジカの抗体保有率(過去にE型肝炎にかかったことがある)は2.6%。感染歴なしが97.4%。

ニホンジカはE型肝炎に感染しにくいことがわかりました。

E型肝炎ウィルスは検出されませんでしたし、抗体保有率も、他の動物に比べて極めて低いことがわかりました。

ですが、可能性は“ゼロ”とは言えないことがわかりました(すべての家畜、野生動物に共通のことです)。

なので生食は避けるべきです。

厚生労働省もシカ及びイノシシなどの野生動物の肉を安全に喫食する為の注意点について

・ 豚レバーを含む豚肉並びにシカ及びイノシシなどの野生動物の肉(内蔵を含む。)は生で食べないようにしましょう。

・ 豚肉並びにシカ及びイノシシなどの野生動物の肉は中心部まで火が通るよう、十分に加熱して食べましょう。このような加熱はほとんどの危険な微生物を死滅させることが確認されています。また、他の動物の肉については、若齢者や高齢者など抵抗力の弱い方は生肉の摂取を控えるようにしましょう。

・ 加熱調理を行う肉類は生焼けにならないよう中心部まで十分に火が通るよう、十分に加熱してください。

・ 生の肉類と加熱済みの肉類は分けて取り扱いましょう。取り扱う箸や皿も区別して使用してください。

と言っています。

現にシカの肉を生で食べてE型肝炎ウィルスに感染した例はあります。

食べようとしているシカ肉がE型肝炎ウィルスを持っているかなんてわからないのです。

猟師さんの中には、40年以上鹿を獲ったら生の刺し身を食べているけど誰もおかしくなった人はいない。60年シカに関してはいろいろな食べ方をしてきましたが周囲の関係者は誰一人としてE型肝炎になっていない。

なんて話がありますが、たまたま運がよかっただけなんです。

それにE型肝炎ウイルスの潜伏期間は3週間から8週間と幅があり、平均40日間です。

症状が現れる感染は、15歳から40歳の若年成人に最もよくみられます。

ほとんどが無症状か、非常に軽い症状を起こすのみなので、わからないのです。

肝炎の典型的な所見と症状は、以下の通りです。

黄疸(皮膚や眼球結膜の黄染、褐色尿、白色便)

食欲不振

大きくなり、圧痛を伴う肝臓(肝腫大)

腹痛と腹部の圧痛

悪心、嘔吐

発熱

これらの症状の大部分は、どの肝疾患でも急性期に起こる症状であり、鑑別できません。

また、これらの症状は、典型的には1週間から2週間続きます。

急性E型肝炎は、稀に、劇症肝炎(急性肝不全)を起こして死亡することもあります。

E型肝炎による全体的な人口の死亡率は、0.5%から4.0%です。

劇症肝炎は、妊娠中に最も高率に起こります。

妊婦はE型肝炎による産科の合併症と死亡するリスクがより高く、妊娠第三半期における死亡率は20%になります。

E型肝炎の慢性感染の症例は、免疫抑制状態にある人で報告されています。E型肝炎感染の再活性化も、免疫抑制状態にある人で報告されています。

急性肝炎の経過を変えることができる治療はありません。疾患に対して、最も効果的なのは予防です。

予防法→加熱

過去に、輸血で80代女性がE型肝炎ウイルスに感染、約100日後に劇症肝炎(急性肝不全)で死亡しています。E型肝炎ウイルスに感染していると知らずに輸血をしてしまったのです。今は献血の時にブタ・猪・シカの肉や内臓を生、または生焼けで食べた人は狩猟解体や食べた時点から6か月は献血を自粛するよう呼び掛けています。

E型肝炎ウイルスは加熱によってリスクを回避することが出来ます

腸管出血性大腸菌感染症(O157)

牛肉の生食で食中毒が出たことは記憶に新しいと思います。あれはウシの腸内の腸管出血性大腸菌が肉についてしまい、生で食べた人が感染しました。

シカの腸内にもウシと同じように腸管出血性大腸菌はいます。

ウシやブタなど、高い技術で処理された肉にも大腸菌がつくことがあるのですから、シカ肉やイノシシ肉にも大腸菌がついてしまうリスクがあるのです。

腸管出血性大腸菌感染症は加熱によってリスクを回避できます

その他にもサルモネラ菌寄生虫ノロウイルスなど・・・

予防法→加熱

加熱によってリスクを回避することが出来ます

美味しく食べる前に、安心・安全であること!!何よりも大切なことです。なんでこんなリスクがあるのに生で食べる人が後を絶たないのか・・・

法律で禁止されてないからいいの?

自己責任だからいいの?

まわりで症状出た人いないから大丈夫

ほんとに?ほんとに?そこまでして食べる価値はあるの?

そもそも、シカ肉は生肉でないと柔らかくないと思っていませんか?

シカ肉はシカ刺しが一番おいしいと思っていませんか?(あんなん醤油の味しかせーへん!笑笑)

火を通した方がおいしいし、火を通した方が柔らかい!!

そんな料理方法が知りたい方はぜひ料理教室へ!!←最後は宣伝(笑)